駒沢よしや矯正歯科 駒沢大学駅の矯正歯科専門医院

お知らせ

子どもの矯正治療は本当に今すべき?正しく知って選ぶために大切なこと

駒沢よしや矯正歯科には、日々たくさんのご家族からお子さんの矯正相談が寄せられています。その中で、多くの方に共通する“思い込み”があることに気づかされます。

それは、

  • 「子どものうちに矯正しておけば、大人になってからの矯正は必要なくなる」

  • 「便宜抜歯を避けるためには、早いうちから矯正を始めたほうがいい」

という考えです。

実際、こうした認識をお持ちの方は多く、なかには周囲の人やかかりつけの先生から言われて、そのまま信じてしまっているというご家族も少なくありません。

もちろん、子どもの時期にしかできない矯正治療があるのは事実です。しかし、すべてのケースにおいて「早ければ早いほどいい」というわけではありません。むしろ、タイミングを見極めることが非常に重要なのです。


【“光”の部分】本当に早期治療が必要な場合

たとえば「反対咬合(受け口)」のお子さんには、早期治療がとても大切です。可能であれば5〜6歳のうちにご相談いただき、遅くとも8歳までには治療を開始するのが理想です。そうしなければ、将来的に外科手術が必要になる可能性が高まるからです。

この時期には「フェイスマスク(上顎前方牽引装置)」という装置を用い、毎日10時間ほど、半年ほどの装着で徐々に改善していきます。親御さんとお子さんのご協力があってこそ成り立つ治療です。

当院でのこの時期の反対咬合(受け口)治療の費用は、おおよそ50万円程度となっています。

とはいえ、この時期を過ぎてしまった場合でも、大人になってから外科手術による治療(顎変形症)が可能です。こちらは健康保険が適用され、自己負担は80〜90万円程度。仕上がりも良好なケースが多く、過度な心配は必要ありません。


【“闇”になり得る部分】すべての「ガタガタ」が早期治療の対象とは限らない

一方で近年増えているのが、「前歯のガタガタを指摘されて矯正相談に来られる」ケースです。

確かに、前歯の凸凹は見た目が気になります。ただし、こうした“ガタガタ”のうち、子どもの矯正だけで本質的に改善できるのは約2割程度だと言われています。

なぜなら、歯並びは「歯の大きさ」と「顎の骨の大きさ」のバランスで決まっており、単純に歯列を拡げても骨格自体のサイズは変わらないからです。

「拡大床」という装置は歯列の幅を広げることができますが、実際には歯が外側に傾いて並んでいるだけで、骨格的な広がりではありません。その結果、後から生えてくる犬歯や小臼歯のスペースが足りなくなり、別の問題が生じることもあるのです。

さらには、無理な拡大によって犬歯の歯冠が側切歯の根にぶつかり、歯根吸収を起こすリスクも指摘されています。これは歯の寿命に大きく関わる問題です。


拡大床は否定しません。でも“目的”を見誤らないこと

こうした理由から、「前歯がガタガタだからとりあえず広げましょう」という判断だけでは不十分です。

当院でも拡大床を使用することはありますが、それは上下の歯列のズレがある「交叉咬合」や、成長に偏りが見られる場合、あるいは「受け口」や「出っ歯」を伴うケースなど、治療の目的が明確なときに限ります。

何より大切なのは、「なぜこの装置を使うのか」という理由がきちんと説明されていることだと考えています。

前歯のガタガタがあっても、本人が将来的に気にしなければ、矯正治療をしないという選択肢もあっていいのです。逆に、見た目が気になって悩んでいるお子さんには、適切な診断のもと、治療をご提案しています。


大人の矯正でも治せる「ガタガタ」が多くあります

少しだけ本音をお話しすると、家事や育児、習い事や塾で毎日忙しいご家庭に、「将来、大人の矯正でも治せるガタガタ」のために無理に通院や費用の負担をお願いすることには、慎重でありたいと考えています。

また、他院で「今すぐ矯正を始めましょう」と強く勧められたという方からもご相談をいただくことがあります。しかし実際には、自然に改善するものや、子どもの矯正治療だけでは改善しきれないもの、早く始めた結果、大人の矯正も強制的に続けざるを得なくなったケースなど、さまざまです。

当院では、子どもの矯正と大人の矯正を長い目で見て、トータルで治療期間や費用が過剰にならないよう、専門的な視点から丁寧にアドバイスを行っています。もちろん、当院で治療を受けなくてもかまいません。セカンドオピニオンとしてのご相談だけでも、どうぞお気軽にお越しください。


最適な時期を一緒に見極めましょう

駒沢よしや矯正歯科では、お子さんの矯正治療や大人の矯正治療を始めるのに最適なタイミングを見極めるために、初診相談後も半年ごとを目安に、無料で経過観察を行っています

急いで治療を始める必要がないと判断した場合でも、お子さんの成長を見守りながら適切な治療開始時期をご提案いたしますので、無理なく安心してお任せいただけます。


最後に

矯正治療は、人生で何度も経験するものではありません。だからこそ「どんな目的で、どんな方法で、どんな未来を目指しているのか」をご家族と一緒に考える時間を大切にしています。

すべてのお子さんにとって最適な治療は異なります。私たちはご家族の思いに寄り添いながら、納得できる選択ができるよう、誠実にサポートしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。

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